看護師は専門知識を必要とする

 看護師は医師に次いで、深い専門知識やスキルが必要になる職業である。従って誰もが看護師になれるというわけではないのが現状だ。数年間も全日制の看護学校に通い、基礎から応用までみっちりと勉強をしなければならないだけでなく、その上で難しい国家試験に合格をしなければならないのだ。努力ができない人は、看護師になるには前途多難だといっても過言ではないだろう。

 看護に関する専門知識は非常に幅が広い上に、一つ一つが奥深いという特徴を持っている。それ故に、一人前になるためには、優秀な人であっても十年程度の実務経験が必要になるものだ。専門知識やスキルを身につければ、専門看護師になれるなど仕事をしながらキャリアアップが狙えるのも、難しい仕事に従事しているからこそである。専門知識の習得が充分でないと、いくらやる気があっても現場に出ることはできない。その点が、介護士とは少し異なる点だといえる。介護士の場合には、最悪無資格でも仕事をすることは可能だ。簡単な講習を受けるだけである程度のことはできるようになる。

 病院ではちょっとしたミスが命に関わることも多く、完全に大丈夫だと証明がされた人にしか任せられないわけだ。医療行為を無資格者が行うと、逮捕されかねない。この点は厳密に守られていて、だからこそ人手不足も深刻になっているのである。海外から人材を日本に招こうという試みも行われたが、国家試験の合格率が非常に低く、半ば失敗に終わったという経緯は記憶に新しい。